大きな人生の挫折が海外へ飛び出すきっかけに

高井 健一さん

現在、セキュリティ製品を海外に販売している高井さん。ここに来るまでにカナダやシンガポールでの海外経験や様々な会社に就職されて、沢山の経験を積まれてきました。そんな高井さんにこれまでのご経験を語っていただきました。

挫折、留学、そして就職

▲大学生の時のトロント留学 一番右

海外に行こうと決めたきっかけは人生の挫折でした。

私は小学校から大学までバスケをしていましたが、腰の怪我でスポーツができない状態になってしまいました。小学校から一緒にやってきた友人は実業団へ。一方、私は人生を捧げ、身体に全力で投資をしてきたのに、何にもなれず、劣等感や挫折感を感じていました。

しかし立ち止まっていてもしょうがないと自分に言い聞かせ、「世界で活躍する」という目標を立てます。

そして大学在籍中に海外へ行く決断をします。その決断には理由が2つ。1つ目は、当時、人間関係を構築することが苦手だったため、「自分は日本人とは気が合わないのだろう」と考えていて、それを確かめるため。2つ目は、バスケットボールのBJリーグで活躍していた仲西淳さんが当時ロサンゼルスに滞在しており、ロサンゼルスに居た従兄弟が仲西さんと知り合いだったため、アメリカの地で一緒にバスケをし、その経験が海外に興味を掻き立てられるきっかけになりました。

アメリカかカナダか、行き先については様々悩んだのですが、日本人が少ないと言われていたトロントへ3ヶ月間留学をします。この時にお金をかけ、高めに料金設定されている語学学校を選んで入学をしました。これは後々感じたことではあるのですが、料金の高い語学学校だと先生の質が違いますし、一緒に学んでいる生徒も、良い家柄の人ばかりなので、自分に良い影響を与えてくれたと感じています。

ここで留学を考えている人へのアドバイスとして、高い料金設定の語学学校に行って、高い質の授業を受け、自身に良い影響を与えてくれる仲間を見つけることを選ぶか、もしくはそこにかけるお金を限りなく0円にすることをおすすめします。例えば、0円の語学学校のトライアルを利用したり、Meetupで様々な人と繋がりを作って英語を学んだり。中途半端にお金を使うと、結局様々な面で中途半端になってしまう可能性があるので、お金を沢山使うか、全く使わないかどちらかに振り切ったほうが良いと思います。

実は留学をしたことには1つの狙いがありました。それは就職活動に留学を絡め、海外で働ける会社に就職をするということです。結果的にはインドとオフショア開発を行っていた株式会社システムコンサルティングに就職します。

プログラマーとしての充実した日々

▲インド研修中 講師の先生と

入社後はインドでの研修が3ヶ月間ありました。研修時、同期はインド人の考え方や文化の違いに戸惑うこともあったようですが、私はむしろやりやすいと感じる節すらありました。例えばインド人はふんわりしていて、個人主義が強いです。ルールや納期を厳格に決めなかったり、時間もルーズであったり。そういう部分は自分に合っているなと感じていました。

そして研修が終わり、日本でプログラマーとしてインドにいる社員とオフショア開発を始めます。

仕事に対しては大きなやりがいを感じていました。というのも「世界で活躍する」という目標を立てた時に、世界の共通言語を覚える必要があると考えていて、ある本の中では数学とプログラミング言語と英語が共通言語であると書かれており、この3つがバランスよく鍛えられている実感が充実感に繋がっていました。

しかし会社を辞めることになります。理由は2つ。1つ目はインドに行って仕事をするキャリアがだいぶ先になってしまったこと、そして2つ目は口下手になってしまったことです。プログラミングが好きすぎて1日最低10時間くらい画面に向きっぱなしの生活になり、英語も日本語もまったくしゃべらないような生活が続いてしまっていました。

2つの理由から、海外に自ら飛び込んでいくしかないと考え、トロントへワーキングホリデーに行く決断をします。

ワーキングホリデー、そして再就職へ

▲シンガポールメンバーとアレックスソリューションズ社長

用意は飛行機のチケットだけ。そんな状況でトロントへ行ったのは「サバイバルで人間力を上げるんだ」という考えの下でした。そのため宿泊先すらも決めておらず、最初はかなり大変でした。今考えると経験がないから不安や恐さがなかったんだと思います。

そんな状態ではありましたが、住む家や携帯の契約をし、働き口も見つかります。コーヒーやドーナツ、サンドイッチが販売されているTim Hortonsというカナダで有名なチェーン店です。そのTim HortonsではめずらしくCOLD STONES(アイスクリームの店)も併設されていました。

採用時のエピソードとして、最初のバイトの面接では店のメニューと材料をすべて覚えてくるように言われ、1週間後の次の面接で作り方に関する問題が出されることを伝えられました。私はそれを全部覚えていったんですが、おそらく生真面目な日本人ならほぼ全員覚えていくだろうと思います。

実際に2回目の面接で、「これを全部覚えてきた人は初めてだ」と褒められ、採用をされました。この経験から、日本人の真面目さと努力が海外でアドバンテージになることを実感しました。

10ヶ月間程働いた後に辞め、ワークビザ取得を目指して他の仕事を探すんですが、ワーホリビザの残り期間が短いせいか、うまくいかず、結局帰国することとなります。

帰国してからは飲食店でアルバイトをする日々でした。しかしこのままでは良くないと考えていた時に出会ったのが株式会社アレックスソリューションズというITの会社でした。

外国籍のメンバーが半数を占めるチームで1年半仕事をし、その後シンガポールの支店に異動します。当時、会社はまだシンガポールに支店を新設したばかりでした。本来ならエンジニアとして働く予定でしたが、起業フェーズを経験したいという強い想いがあり、無理を言って営業職に。言われてもないのに、1日に何百件と電話をかけたり、トラブルも沢山起こしてしまったりしましたが、好き放題やらせてもらえました。

充実した日々を送っていたのですが、日本へ帰らなくてはいけない状況になってしまいます。

シンガポール滞在中、第一子が生まれてから半年が経っていました。そのため、家族をこちらに呼び寄せたいと思っていたのですが、それを実現するには仕事の案件を先に決めなければならない状況でした。しかし結局案件が決まらず、ビザの問題も迫っていたため帰国することに。

帰国後もアレックスソリューションズで働くことを検討しましたが、シンガポールでの経験を活かしたいという想いがあったので、別の道に進むことを決断します。

そして新たにスタートアップ企業、インキュビットへ。

スタートアップ、フリーランスと経験して、いま

▲現在 左から2人目

インキュビットでは、創業者と私だけが正社員だったため、私たち二人で、誰を採用するか、どうやってお客様を獲得するかという、シンガポールで経験したことを取り組む日々でした。

創業当初はWeb関連の会社でしたが、後にAI事業に転換するお手伝いをしました。当時、日本ではAIエンジニアを採用するノウハウがほとんどなかったため、シンガポールで得た知識を活かし、優秀なAIエンジニアを採用できたのは、会社に大きく貢献できたことかなと思います。

そうして8ヶ月を過ごし、退職します。

理由はシンガポールに行けた時点で、自分の目標がある程度達成されて満足していたこと、そして子供の成長を見て、なんて自分勝手に今まで生きてきたのかと気付いたことです。その結果、子供のために自分で保育園を設立したいと考えるようになっていました。しかし自身で保育園を設立するには莫大な資金が必要だったため、保育園設立に携わる企業で働くことを決意し、就職します。

新しい仕事は非常に過酷でした。そのため体調を崩してしまい、1ヶ月間も仕事ができない状況に。その際、以前勤務していたアレックスソリューションズの社長に様々な相談をした結果、退職をする決断をします。

そしてフリーランスとしての道を歩み始めることに。

アレックスソリューションズからの紹介で、SIerとしての仕事に就きます。その企業のエンドユーザーは英語を話せる人材が必要だったため、私がその要件に合致していたこと、さらにユーザー側の偉い方がシンガポールとインドでの駐在経験があり、多くの話題で共感できたことも、私が採用された理由の一因でした。これまで経験してきたことがプラスに働いたのだと感じた瞬間でした。

この職場で様々な経験を積むことができましたが、5年たった頃にフリーランスから会社員に戻る決断をします。

正直なところ、フリーランス時代の方が収入は多かったです。ただお金を稼ぐためだけに何かをするということが自分のモチベーションアップに繋がらないことに気付いたんです。自分が好きなことを追求したいと。

現在、セキュリティ製品を販売する株式会社サイバーセキュリティクラウドという企業で働いています。自社製品を海外に向けて販売する仕事です。海外への営業はゼロイチベースで、自分のスタイルを活かして海外を相手にしていくので、やっぱり楽しいなと感じています。

そして将来は、自社の製品を世界一にさせます。

留学など、海外に行ってみたいと思っている人へアドバイスをお願いします

心のストレッチをしていってください。海外に行くと「何かを嫌いになって帰ってくる人」を見かけます。例えば他国を崇拝しすぎて日本を嫌になってしまう人、逆に他国に馴染めずに、他国を嫌いになってしまう人。しかし実際は自国にも他国にも良いところもあり、悪いところもある。それだけの事なので、必要以上に論うことはないはずです。

結局、何かを嫌いになると、その後の人生や人間関係で損をしている人を散見するので、そうならないためには心のストレッチ、EQを上げる事が大事だと思います。EQを上げるにはまず自分から挨拶をする、お礼を言う、感謝を伝える、悪い時は謝る、ゴミはゴミ箱に捨てるなど当たり前の事が大事です。

少しテクニカルな事を言えば、日本人の「言わずもがな」「察して欲しい」的な忖度文化は無い文化圏が多いので、言葉でしっかり自分の意見を伝える練習を、日本に居る時も日本語でもやると良い気がします。

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