ボラカイ島で夕日が沈む海を見ていた時、自分の器が完全に満たされる瞬間に出会いました。----そしてライフコーチングへ。
ベトナムで出会ったお姉さんが夜の繁華街へ連れ出してくれたことで、様々な国の人に出会い、英語が話せるだけで世界が広がるんだなと感じたのがワーキングホリデーに行くきっかけでした。
山田美波さん
ベトナムでの出会い

学生時代にどうしても海外に一人で行きたいと考えていたのですが、女子一人旅での海外は親からの了承が得らませんでした。なんとか行く方法は無いかと模索していた時に見つけたのが、ベトナムの孤児院でボランティアをするというプログラムでした。このプログラムはちゃんとした日本の団体が運営しているものであり、現地にスタッフがいるのでこれを利用することで親からの承諾を得ることができ、はじめて一人で海外に行くことができました。
現地では、孤児院にいる子供たちの生活のお世話をしたり、一緒に遊んだりして過ごしていました。その頃の私は英語がまったく話せない状態で渡航しており、フラっと一人で出かけて街の人と交流をする、なんてことは考えてもいませんでした。
ボランティアスタッフには日本人の方もいて、その時知り合ったとても英語が流暢なお姉さんが、ある日私を、夜の繁華街へ連れ出してくれました。お姉さんが英語を使って現地の人とコミュニケーションを取ったり、その場で出会った様々な国の人たちと互いの人生について語り合っている姿に感銘を受け、英語が話せれば、もっともっと世界が広がる!と強く感じました。
美波は寒いところよりも、暖かいとこに行った方がいいよ!

ベトナムでの経験を経た私は、大学を休学してオーストラリアへの留学を決めました。しかし、海外の大学に行って何か学びたいということではなく、外国での生活を体験すること、とにかく英語を話せるようになりたいという思いで、ワーキングホリデーを選び、オーストラリアとカナダを候補に挙げます。
そして、ベトナムで出会ったそのお姉さんに相談したところ、「美波は夏女だから、寒いカナダじゃなくて、暖かいオーストラリアが良いよ」と言ってくれました。カナダに留学経験があるお姉さんの経験と、私のことをよく知ってくれた上での勧めでした。行先は、オーストラリアのブリスベン。決めたらすぐに行動に移しました。
現地の人々を見ているうちに"余白"の大切さを知りました。

オーストラリアのブリスベンでワーホリ生活がスタートしました。最初の三ヶ月は学校で英語を学び、その後はゲストハウスでインターンを経験しました。英語の上達が目的で行っているので、これまでとは比較にならないくらい毎日が英語漬けで、日常の全てから学びを得る日々を過ごしていました。その後は、日本食レストランや現地のビストロでも働くことができました。
日本にいた時の生活では効率を重視して予定を詰め詰めにして、この期間にできるだけバイトをして、長期休みに旅行へ行く!というまったく余裕を持たない日々を送っていました。しかし、現地のビストロで働いている時に、朝7時から家族3世代でゆったりとモーニングをしてその後10時には帰っていくという過ごし方や公園で本を読んだりピクニックをするのが当たり前の日常を目の当たりにする中で、なんて豊かな時間の過ごし方だろう、と自分の価値感が変わっていくのを感じました。
それからは、予定が詰まった週末ではなく、公園で本を読んだり、日向ぼっこをしたりと、生き急いでいたライフスタイルから、心と時間に余白を持つライフスタイルへと変わっていきました。ずっと日本にいたら起こらなかった変化だと思います。

人間関係に疲れを感じていた社会人生活

大学卒業後はミュージカル俳優を目指す!という時期もありましたが、夢を諦め仕事に就こうと就活を進め、水産商社で働き出しました。当時は、仕事や人間関係に苦しみ、辞めたいという気持ちが強くありました。
元々、営業職希望で入社したものの、簿記資格を持っているということで経理に配属となり、数字が苦手な中での経理業務、職場の険悪な雰囲気、永遠と愚痴が聞こえてくる環境に心が疲れていました。そんな状況の中、コロナの影響で早期退職者を会社が募ることになり、私は退職をすることになります。
一年ほどは旅行をしたり、家事代行の仕事をしたり、アクセサリーを作って売ったりとたくさんのことを経験しました。掃除や片付けが好きで家事代行の仕事をしていたのですが、好きなことをしてお客さんに感謝されることがすごく嬉しくて、自分に合っている生き方だなと感じました。
会社を辞めた時は人間関係にも疲れていたので、時間を取って休んでいましたが、好きなことをやり続けていると自然と元気が湧いてきて、このエネルギーを社会のために使いたい、と感じて就職活動を再開します。
自分の得意を活かした仕事で、たくさん感謝していただき、とても充実していました!

せっかくなら英語を使いたいと思い、さらにITも使えるようになれば良いなと思って入った会社でITトレーナーという職種に就きました。ITトレーナーは使用するソフトウェアの使い方を教えたり、その会社に必要なITスキルをトレーニングする仕事です。英語を使いたい、話すことが好き、わかりやすく相手に伝えること、人前で話すこと、すべて自分が持っていることを活かせる仕事でした。さらに長期休みも定期的にあり、休みのたびに海外旅行にも行けて、尊敬する上司の元で働くことができ、とても良い環境で働くことができました。
そんな充実した生活を送っている中で、休暇中に訪れたボラカイ島で1つのターニングポイントがありました。
人生で初めてヨットに乗り、動力を使わずに風を受けながら颯爽と波を切りながら走る経験に、言葉にならない感動を覚えました。その船の上で夕日を眺めている時になんて幸せなんだろう、なんて人生楽しいんだろう…!と心から感じる瞬間がありました。初めて、自分の器が完全に満たされているのを感じて、みんながこんな風に人生を思い切り楽しめたらいいのに!そう感じたことが次のステップに繋がりました。
ライフコーチングの始まり。

現在は、独立してライフコーチングの仕事を行っています。ライフコーチングは、クライアントが現状の外にある目標に辿り着けるよう、サポートをしながら伴走をしていく仕事です。実際にしていることは対話を通して、いつかやってみたいと思っている夢、本当はこんなことをしてみたいといった、自分の奥に隠れいている本音や望みを引き出していき、自己理解を深めながら本当に望む人生を生きていく、叶えていくサポートを行います。
これまでの例で言うと、いつか学習塾を始めたいけど様々な不安要素から始められていない、そんな方をサポートした際は、二か月後には学習塾を開業することを達成していました。初めは後ろ向きな意見が出ていても、コーチングを続けていくことで、自分自身や自分の人生がどんどん好きになったり、自信がついていくのが目に見えて、見違えた表情へと変わっていきます。対話を通してブレーキとなっている信念や感情、思考を整理していくことで、その "いつか" を実現させることがライフコーチングのお仕事です。
私は中学生のころから思考を紙に書き出して整理をする、ジャーナリングと呼ばれるものを自然と行っていました。ジャーナリングを通して、留学や転職、独立、その時々で不安や怖さもある中で本当の望みに沿って、迷いなく決断をしながら進んでくることができました。
とことん自分と向き合い、自分を理解すること、自分自身の思考の整理や決断力、話すことや伝える力など、これまで自分がやってきたことが全て繋がり、この経験を通して誰かの背中を押すことができる。こうすべき、こうあるべき、ではなくてその方が心から望む人生を歩んでいくサポートができる、そんな思いでライフコーチングをしています。
このお仕事を通して、人生が楽しくてたまらんっ!と思える人ををもっともっと増やしていきたいと思っています。それぞれの人生で最高バージョンを見つけて叶えていくこと、誰にだってできるし、大人になってからも人生ってこんなに楽しいんだと感じてもらいたいです。

海外で気付いたこと

海外に行くまではどちらかと言えば内向的な人間でしたが、海外に出てみて、日本で感じていた当たり前やこうあるべき、は海外では全く当たり前ではない、という世界を目の当たりにしました。
以前は悪目立ちしないよう、人と異なる部分や違いをできるだけ隠していましたが、違いがあってもいいんだな、むしろ違うからこそユニークなんだなと、プラスに捉えるようになりました。海外で経験をすることで、自分にとっての当たり前や、選択肢の幅を広げることができました。
また、家族や友人と離れることで一人の時間が増え、これからどうしていくのか?何を得て帰るのか?人生で何をしたいのか?など自分自身を見つめなおすことでより自分を深く知ることができ、自分自身がとても扱いやすくなったと感じます。
これから海外に挑戦する人へ
海外に挑戦する目的を明確にしていくのがいいと思います。コーチングをしている中でも、とりあえず海外に行きたいという人は多くいますが、ただ行くこと、英語上達、程度の粒度で行ってしまうと、目標がわからず苦しくなってしまったり、何をしにきたのかわかならくなってしまう、行くことがゴールになっていたという経験をよく耳にします。
なので、この経験を通して何を得たいのか、その先にどうなっていきたいのか、という目的を明確にしてから行くことで、得られる濃さが全然違うと思います。私の場合は”絶対に英語をしゃべれるようになる”を目標に日々学んでいましたが、さらにその先まで目的、目標を描けていたら、なおよかったなぁと思います。


